サッカーチームで初となるICOを開催しているアヴァイFCの仮想通貨を徹底解説

 ブラジルリーグに所属するアヴァイFCICO(仮想通貨の即売会みたいなもの)を行っていると聞いて、どのような仮想通貨か調べてみました。
ブラジルリーグというと現在パリサンジェルマンに所属しているネイマールの元所属先であるサントスFC、現在名古屋グランパスエイトに所属しているジョーの元所属先であるコリンチャンスなどがあります。
アヴァイFCというチームは聞いたことが無かったため、そこも含めて調べてみました。




アヴァイFCについて


ICOを開催すると聞いてまず思い浮かんだのは経営不振でした。テレビ放映権で賑わっているサッカー業界ですが、赤字経営に陥っているクラブも少なくないと聞きます。
Jリーグでも多くのクラブは黒字経営ですが、サイゲームズの撤退が噂されるサガン鳥栖など今後を不安視されているチームも存在します。一方でパルマのように破産後に新しいクラブを立ち上げたクラブもあるので、アヴァイFCICOは経営不振か新チームの立ち上げだろうと予想していました。
ホワイトペーパー(事業計画書みたいなもの)には、アヴァイFCの所属ディヴィジョンと大まかな財務状況が掲載されています。


2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
1
1
2
2
2
1
2
1
-176
-330 -2,070 -2,803
60
-3,085 -1,911
1,463


ホワイトペーパーから抜粋、単位は千米ドル

アヴァイFC1923年に誕生した歴史あるサッカークラブです。過去には1部相当のディヴィジョンで優勝したこともあるようです。
しかし現在は表にもあるように1部と2部を行ったり来たりするエレベータークラブとなっています。ちなみに今はセリエB(2)4位です。
赤字金額の多さも気になりますね。8年間で6年赤字、累積赤字額は885万米ドルです。日本円にすると約9億円でしょうか。

アヴァイトークンについて


困ったことに評するところが特にありません。新しい才能の持ち主を見つける、ブロックチェーンによるチケットの管理などが書かれていますが、具体的な方法については書かれていませんでした。
人材発掘はハメスのJR10トークンのところで触れたSelfsellでもテーマに掲げていますし、チケット管理は日本で仮想通貨関連の事業を展開しているGMOZ.comやスイスのチケット案内プラットフォーム開発会社SecuTix などが手がけています。
アヴァイトークンならではの内容は見つけられませんでした。

アヴァイトークンのICO状況


1AVAI=1USDという相場で103日から115日までICOが行われています。最低目標が800AVAI、最高目標が2046AVAIです。最低目標まで達成すれば、累積赤字の9割は返済できる計算になります。
ただし状況は良くないですね。約5日が過ぎた段階で集まっている金額は最低目標の0.1%未満である6490.15米ドルです。開始から72時間までは10%のボーナスがつくという設定なのですが、この期間も既に終わっています。

(11月8日追記)
ICOが終了しました。アヴァイトークンのICOは失敗です。
集まったお金は投資者へ返金されるようです。


まとめ


設立して95年と歴史のあるチームということは分かりましたが、トークンに魅力は感じません。ただしサッカーチーム初のICOということでメディアにも取り上げられ、多くの人の目に触れることには成功しました。
知名度を上がったはずなので、これをきっかけにスポンサーを見つけてもらえればと思っています。