ソシオスが発表した欧州とブラジル計6カ国の調査結果から見えてくるもの

情報フォーラムMediumにてソシオスが、調査会社ニールセンに依頼していたブラジル・ドイツ・イタリア・ポルトガル・スペイン・UKの合計6カ国のサッカーに関する調査結果を発表しています。
以前も6カ国合計の調査結果は出ていましたが、今回は国別の結果になります。その中でいくつか気になる質問があったので、ピックアップしてみます。

Q1.クラブはお金を稼ぐことに集中している

調査結果をみると、サッカーへの関心や観戦方法など複数の項目に分かれています。その中でも興味深かったのはクラブのお金稼ぎに関する意見です。
クラブがお金を稼ぐことに集中しているという各国の割合は以下の通りです。括弧内は調査に協力してくれたサッカーファンの数になります。



アンケート実施国アンケートに協力してくれた人数お金稼ぎに集中していると思う人
ブラジル488人ほぼ4分の3
ポルトガル457人ほぼ4分の3
UK435人ほぼ4分の3
ドイツ448人ほぼ4分の3
イタリア541人69%
スペイン451人4分の3弱

ここ数年、選手の移籍金や給料が高騰しています。移籍金5,000万ユーロ以上を推定されている選手も少なくありません。超一流の選手となれば、1億ユーロを超えることもあります。
移籍金や給料の高さは、ステータスでもあるでしょう。しかし世間的な目で金額を見ていると、お金稼ぎに集中していると感じる人がいてもおかしくない気がします。

Q2.トロフィーが唯一の目標

調査結果の中には、クラブの目標に関する質問もありました。以下が国別のアンケート結果です。アンケートに協力してくれた人数は上と同じになります。


アンケート実施国トロフィー獲得が唯一の目標と考える人
ブラジル50%
ポルトガル50%
UK47%
ドイツ52%
イタリア65%
スペイン65%

この数字は個人的には納得の数字です。クラブ別で見れば、残留・昇格・チャンピオンズリーグ出場権獲得など細かく別れるでしょう。しかし優勝を狙えるような強豪クラブはファンの数も多くなります
イタリアとスペインだけ頭ひとつ出ていますが、これはユベントス・バルセロナ・レアルマドリードの存在があるのでしょう。

Q3.チケットの価格安定化

来季からJリーグでも本格的に導入されるチケット価格変動性についての調査結果もありました。価格安定化と訳していますが、原文では「安定したチケット価格を維持することによってクラブとファンはより近づくことができるか」という意味になります。


アンケート実施国チケットの価格安定化を求める人
ブラジル65%
ポルトガル50%
UK64%
ドイツ65%
イタリア半数
スペイン58%

全体的に5割以上の人がチケットの価格安定化を求めています。この数字をどう見るかは人によると思いますが、お金の面に関してクラブとファンの心は離れつつあるのではないかと私は危惧しています。



まとめ

今回この3つの質問を取り上げたのは、クラブとファンの関係性を見るためです。Q2を見るとファンは、必ずしもトロフィーを求めているわけではないように見えます。
一方でQ1とQ3を見ると、お金や価格に関しては半数以上の人が満足していないようです。ファンは一体何を求めているのか、これを探るのがチリーズやソシオスの役割になる気がします。
とはいえ一朝一夕で出来る仕事でもないでしょう。オフシーズンも含めて定期的に投票を開催してもらえればと思います。