4月30日にチリーズと
ウェストハムユナイテッド(以下ハマーズ)の提携が発表されました。チリーズはこれまでにパリ・サンジェルマン、ユベントスと提携しているため、ハマーズとの提携に物足りなさを感じている人もいると思います。
ですがチリーズやプレミアリーグなどのさまざまな現状を考えると、ハマーズは
ベストに近い選択肢のような気がしました。
今回はチリーズがハマーズと提携した理由を推察してみます。
理由①プレミアリーグ
まずやはり大きいのはプレミアリーグ所属ということでしょう。プレミアリーグは世界で最も見られているリーグのひとつです。2020-22年のテレビ放映権料は90億ポンド(約1兆3000億円)となりました。
既にリーグアン、セリエAのチームと提携しているチリーズにとって、プレミアリーグは抑えておきたいリーグのひとつだったでしょう。
理由②在籍選手の国籍が豊か
プレミアリーグはテレビ放映権料の分配率は明確です。50%は平等、25%はテレビ放送回数、残る25%はリーグ戦の最終順位によって決まります。
このため仮に最下位であっても、9000万ポンド(約1億3000万円)を受け取ることが出来ます。
これだけの収入があるためプレミアリーグの各クラブには、各国の代表経験者が揃っています。2018-19シーズンのハマーズ在籍選手の国籍は欧州・南米・アフリカなど
10以上です。
ひとつのチームと提携するだけで、10以上の国や地域の人々にチリーズをアピールすることが出来たということになります。
理由③安定した経営
ハマーズは優勝争いをするようなチームではありませんが、2012-13シーズンから7年連続で降格を回避してきました。
プレミアリーグが誕生した1993-94シーズンからの歴史を見ると、過去には降格を経験したこともあります。ですが1,2年程度でプレミアリーグに戻ってきました。
理由④ホームタウンがロンドン
ロンドンをホームタウンにしているチームは複数あります。ハマーズ以外にもチェルシー、アーセナル、トッテナム・ホットスパー、クリスタルパレス、フラムがロンドンをホームタウンにしています。2部相当のチャンピオンズリーグまで含めると更に増えます。
ここまでロンドンにスポーツチームが集まっている理由は、産業の規模・人口の多さ・チーム誕生の経緯・階級の歴史などの複数の要因が絡み合っているためです。
これだけロンドンに同種のスポーツチームが集まると、ファンの間でも対抗心が生まれます。ハマーズと現在チャンピオンズリーグ所属のミルウォールとの間に対抗心があり、暴力事件も起こっています。
理由⑤ロンドンにはイベント施設・報道機関が揃っている
ロンドンはイングランドの中心というだけではなく、さまざまな施設が揃っています。4月25日にソシオズが参加したBTスポーツインダストリーアワードの会場だったバタシーエヴォリューションもロンドンにあります。
5月1日にチリーズがプロモーションをしているO2アリーナの住所もロンドンです。今回の提携発表でO2アリーナは注目を集めるでしょう。
またロンドンには世界的にも知られている報道機関スカイやBBCの拠点があります。ロンドン市内でニュースになるようなことがあれば、これらの報道機関は記者を派遣するでしょう。
あるいは報道出来る内容が足りない時に、記者を派遣してインタビューをとってくることも考えられます。
理由⑥優勝の可能性が0ではない
2015-16シーズン、プレミアリーグではレスターシティがタイトルを獲得しました。優勝をするだろうと予想されていた強豪チームが軒並み成績不振となったためです。
シーズン開始前のレスターシティ優勝オッズは5001倍、完全な大穴です。このような幸運が重なればハマーズが優勝する可能性も0ではありません。
理由⑦中堅チームに対する姿勢のアピール
まとめ
いろいろと書きましたが、知名度だけでハマーズと提携したわけではないだろうというのが私の推測です。今後の世界展開やメディアへと登場機会の増加などまで踏まえてハマーズを選んだような気がします。