エルチェCF買収報道もあったlibereum(リベリアム)の問題点を徹底解説


投資を目的とした仮想通貨リベリアムの発行体リベリアム社がスペインのバレンシア州にあるエルチェを拠点としたサッカークラブのエルチェCFを買収したという報道がありました。
ただしエルチェCFはリベリアムによる買収を否定しています。
リベリアムの公式ホームページやロードマップなどを見ましたが、いくつか承服しにくい内容も見られます。 今回は個人的に問題だと思うリベリアムの特徴をまとめます。

流通以外の使用方法が不明

最も気になったのはリベリアムの使用用途です。近年の仮想通貨は、何を目的に開発しているのか明確になっています。ですがリベリアムのホワイトペーパーは、仮想通貨を広く流通させること以外に目的を見つけられませんでした。
流通させることは確かに重要です。しかし本当に重要なのは、どのようにすれば流通させられるかという具体的な方法ではないでしょうか。
リベリアムのホワイトペーパーには、ファンによる使用・スポンサーによる使用・クラブによる使用という3つの流通方法が書かれています。
特に気になるのは、ファンによるリベリアムの使用方法です。

ファンによる使用

ファンによる観戦チケットや飲食物などの購入をリベリアムで行うと書かれています。割引などの特典があれば使う人もいるかもしれません。
ただ事業主にとっては大きな問題ではないでしょうか。例えば飲食店の場合、材料の仕入れが必要になります。仕入先でもリベリアムが有効にならない限り、多くの飲食店は立ち行かなくなる気がします。

短期間に複数クラブと提携する意図が不明瞭

1つの企業が複数のクラブと関係を持つことは少なくありません。リベリアムのホワイトペーパーにも書かれているレッドブルは、2019年1月現在で4つのサッカークラブを買収しています。
ただしレッドブルも短期間に4クラブを買収したわけではありません。ザルツブルグの買収は2005年、2006年にニューヨーク、2007年にカンピーナス、2009年にライプツィヒと5年かけています。
一方でリベリアムのロードマップには、2018年第4四半期に2クラブ、2019年第1四半期に1クラブと合計3クラブとの提携を半年の間に予定しています。ここまで短期間に提携していては、人材の育成やノウハウの貯蓄も進まないのではないでしょうか。

まとめ

やはり一番気になるのは、流通以外の使用用途が計算されていないことです。ドルやユーロ並みに流通していれば、リベリアムの言っているような契約方法も可能でしょう。ですが、そこまで流通させる方法が不足していると私は感じます。